介護士はどんな仕事?

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はじめまして、現役介護士おもちと申します。

介護の専門学校で介護福祉士を取得し、従来型とユニット型の特別養護老人ホームの勤務経験があります。

ユニット型施設ではリーダーをやっていました。

現在は育児をしており、育児とお仕事(介護士)の両立をしていきます。

このブログは、ご家族の方が介護が必要になってどうしたら良いかと思っている方・介護のお仕事に興味のある方・現在介護士として働いている方に向けて書いています。

少しでも役立つ情報や、共感して気持ちが楽になる事などがあると嬉しいです。

まずは、介護士はどんな仕事をしているのかをお伝えしていきます。

介護の仕事というと、ご高齢者の食事やトイレやお風呂等の日常生活のお手伝いをするイメージの方が多いと思います。

項目に分けて、おおまかな仕事内容ケアのポイントをまとめてみました。

介護士ってどんな事をするの?(仕事内容7選)

介護士は主にご高齢者の日常生活で困っている事をお手伝い(ケア)をします。

しかし、すべてお手伝いしてしまうと出来ていた事も出来なくなってしまうので自立支援の視点も大切です。

その方がどうすれば残っている力を維持できるのか(自立支援)充実した日々を送れるのか(QOLの向上)等をご本人・ご家族・介護士・他職種(ケアマネジャー、看護師、栄養士、相談員、PT等)で考えていきます。

施設によって多少違いはあるかもしれませんが、おおままかには以下のようになります。

1.食事

ご高齢者の体の状態を把握して食事の環境を整えていきます。

✅ポイント👀

1⃣体の状態を知る(麻痺があるのか、飲み込む力はどのくらいあるのか等)

2⃣ご自分でどこまで出来るのか知る(器を持って食べられる、スプーンなら食べられる等)

3⃣食事の形状(固さや大きさ)はその方に合っているのか

4⃣食べる時の用具・環境は適切かどうか(入れ歯はしっかりはまっているか、お箸やスプーン等の用具が合っているのか、食事に集中できる環境か等)

5⃣とろみは必要なのか(飲み込む事が難しくなっている方もいるので、とろみをつけると飲み込みやすい)

食事は楽しみのひとつでもあると思います。

施設でお寿司が出たときには、普段の食事量以上召し上がる方がほとんどです。

好きな物を食べると幸せな気持ちになりますよね。

ただ、ご高齢者は飲み込む力が弱くなっている事も多くあります。

楽しい時間にするために、観察をしていないと窒息(喉に食べ物が詰まる)や誤嚥性肺炎(肺に入ってしまい炎症を起こしてしまう)を起こしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

2.排せつ

ご高齢者の体の状態を把握して、お年寄りにあった排せつ方法でお手伝いをします。

✅ポイント👀

1⃣体の状態を知る(トイレに行きたい事がわかるのか、漏れてしまう事はあるのか等)

2⃣トイレ、ポータブルトイレ(移動式トイレのような物)、おむつ等どのように排せつのお手伝いをするのか検討する

3⃣皮膚の観察をする(おむつやパットをつけている方は、お尻が蒸れやすく傷になりやすい。小さな傷から褥瘡(長時間、1か所に圧がかかった状態で皮膚が壊死してしまう事)になってしまう場合もあるので注意)

4⃣羞恥心に配慮して対応をする(大きな声でトイレのお誘いをしない等)

5⃣お通じの状態を見て、下剤等が合っているのか看護師と検討する(お年寄りになると便秘になる方は多く、下剤を使っている事も多い。合っていないと必要以上にゆるくなってしまう場合がある)

6⃣排せつ物の観察(血尿ではないか・おりもの等は出ていないか等)

排せつのお手伝いは、お年寄りが「恥ずかしい」・「こんな事までさせて申し訳ない」等と仰る事も多いです。

自分もやってもらう立場であったら同じように思うと思います。

トイレにお誘いするときも大きな声でお誘いしないようにする・排せつ状況を職員同士で話すときには大きな声で伝え合わない等、介護技術(おむつ交換等)以外でも羞恥心に対する配慮が必要になります。

3.入浴

ご高齢者の方の体の状態を把握して、入浴のお手伝い(着替えや体を洗う等)をします。

✅ポイント👀

1⃣体の状態を把握して、普通浴(一般的なお風呂場)・リフト浴(座った状態で入るお風呂)・機械浴(寝たまま入る事が出来るお風呂)等、どの方法がいいか検討する

2⃣お風呂に入る前には、バイタル(血圧・体温)を測って変わりない事を確認する(平均の血圧や体温を知っておくと変化がわかりやすい)

3⃣全身の観察をする(傷や掻き壊しなど、見つけやすい)

4⃣羞恥心に配慮して対応をする(体にタオルをかける等)

ご高齢者はお風呂に入るのとても体力を使います

だいたいの施設では、週に2回のお風呂ではないでしょうか。

体調の悪いときには無理にお風呂には入らず、清拭(清拭剤で体をふく)やドライシャンプー(水を使わないで頭を洗う液体)等を使って清潔を保つ事もあります。

お風呂は体も綺麗になりますが、気持ちもすっきりとします。

4.移動

移動する際に車いすを押すお手伝いや、歩く時にふらつきがある方の付き添い等をします。

✅ポイント👀

1⃣体の状態を知る(歩く時にふらつきはあるのか、車いすは自分で操作できるのか等)

2⃣どの福祉用具(車いすや杖等)を使用すれば、ご高齢者の残された力で移動できるかを検討する

3⃣福祉用具は壊れた所や汚れはないか(日々使っていると、ねじが緩んだりタイヤの空気が抜けたりするので定期的に確認する)(食事の食べこぼし等で汚れている事多くある。衛生的に良くないので適宜掃除をする)

4⃣使用している福祉用具のサイズはご本人に合っているか(合っていないと、うまく使いこなせない)

移動についてはリハビリ担当のPT(理学療法士)と相談する事が多いと思います。

おひとりお一人、できる事も違う体型も違うのでご高齢者に合った物を使う事でご自身でできる事も増えてきます。

また特別養護老人ホームでは日常の中で今ある力を維持するための、”生活リハビリ”を行っているところも多いと思います。

例えばベッドから車いすに移乗(うつる)時、その方が少し立つ事ができるのであれば介護士は抱えて移乗してもらうのではなく、自分で立ってもらって膝折れしないように介護士は支えられる位置で見守る等です。

自分で好きな時に動く事ができると、毎回介護士にお願いしなくてもいいですし自由な感じがしますね。

5.介護記録

食事量・排せつ・入浴等お手伝いを行った記録や、ケアプランに基づいた記録日常の変化余暇活動での様子等を記録して職員同士で情報を共有していきます。

✅ポイント👀

1⃣5W1Hを意識して記録する。

例:例えば朝食を食べなかったAさんに対しての記録を残す場合。

✖ ⇩

 ”Aさんは朝食を全く食べなかった” 

○ ⇩

“Aさんは起床時から活気がなく、バイタル測定するも異常はなかった(熱36.2・血圧120/89 脈70)。リビングにご案内するも朝食は召し上がられず。ご本人に伺うと「食べたくない、お腹が苦しい」と仰っていた。”

✖の場合の記録は、事実を残しているのはいいですがご本人の様子やどんな状況であったのか等の記録がなく、朝食を召し上がらなかった理由が考えづらいですね。

○の場合は、朝食前後の様子も書かれているのと、ご本人からの言葉も聞けているので理由が考えやすいですね。

(例えば”お腹が苦しい”なら、お通じが出ておらずお腹が張っているのかも・着ている衣類でお腹を締め付けているのかも等。)

2⃣主観の記録になっていないか(日常の関わりの中で聞いた、ご本人の言葉や言動等を根拠に○○したいのかな等の仮設をたてるようにする。)

3⃣”~だ”・”~する”等、言葉を短く読みやすく(たくさんの記録を読んだり残したりするので、読みやすいようにする)

介護士は変則勤務(早番・日勤・遅番・夜勤)で、ご高齢者の生活を24時間ケアしています。

自分のいなかったときのご高齢者の様子や、変化の気づき等を共有する事で対応を変えたりケアプランの内容の見直しの検討のきっかけになったりします。

また体調変化や事故(転倒やケガ等)も記録内で情報共有したり、対応の統一も図るのでとても大切なものになります。

看護師や栄養士等の他職種との情報共有にもなるので、記録がしっかりと残っていると対応を見直すときに連携を取りやすいです。

6.個別担当業務

ケアプランに対して行ったケア(実施)の記録等や、担当のご高齢者の対応を検討したり、ご家族の方とコミュニケーションをとっていく。

✅ポイント👀

1⃣日常の関わりや記録から、担当のご高齢者の変化を知りその都度対応を検討する。(状態は変わっていくので、同じ対応だとケアしきれない)

2⃣ケアマネージャーや、ご家族の方と小まめにコミュニケーションをとる。

施設によってまちまちだと思いますが、介護士1人当たり2名~5名の担当を受け持つと思います。

毎日忙しい中ではありますが、せめて担当の方だけでも現在の状態だけでなく既往歴や昔やっていた事などいろいろと知っているとご本人との話しのタネになったり、ケアにつながる事もあるかもしれません。

またご家族の方も、いろいろな思いで施設に入居を決めた方もいる(本当は自宅で介護をしたいけど体力的に無理など)かと思います。

ご家族が来所されたときに一言・二言でもコミュニケーションをとる事で、信頼関係を築いていくきっかけになりますし、施設での生活をお伝えする事で安心される方もいると思います。

施設とご家族とで、ご高齢者を支える関係ができるといいですね。

7.余暇支援

季節に合った行事の企画や装飾、日常の体操やレクリエーション等をしていく。

✅ポイント👀

1⃣季節を感じられる装飾品を飾る(施設の中は気温は一定で、季節を感じにくい。お正月には鏡餅、春には桜などを飾り、季節を感じられると目で見て楽しめる)

2⃣行事をする際には、事前に計画書を作りその日の動きや注意点など情報共有する。(行事があるとその時間の確保の為に、いつもとは違った動きになるので当日バタバタしないために確認が大事。)

3⃣レクリエーションは、ご高齢者に合ったものにする(好きでもない絵を描いたり、歌を歌ったり、無理に参加してもらうのではなく参加するかしないかはご本人に決めてもらうといい。また個人の残存機能(出来る事)を生かせるものもいい)

余暇支援は、一概に塗り絵や歌の会だけではありません。

塗り絵や歌の会等お好きな方はいいですが、中には苦手な方もいます。

お散歩、外食、将棋、オセロ、お話し等ご高齢者は何が好きなのか知って支援する事で楽しい時間を作れます。

毎日個別に余暇支援をする事は、時間的になかなか難しいかもしれません。

時間を作る事ができない日には、ケアの最中にでも好きな事についてのお話をする等でも気分転換になる方もいるかもしれません。

ナースコール対応

※ご家族の方やボランティアの方の対応など

この他にも、会議や委員会活動(看護師・PT・栄養士など専門職も含めて)や研修で勉強する機会があったりする施設もあるかと思います。

まとめ

介護は「おむつのお手伝いとか汚いな」「認知症の人って、どう接したらいいのか分からなくて怖いな」等、マイナスなイメージも持たれる方もいるかもしれません。

けれど、そういう事はお仕事をしていくうちに慣れます 笑

私自身、育休で介護現場を離れて、客観的に介護のお仕事をみたときに、大変ではありますが本当に尊いお仕事だと感じました。

少し重く聞こえるかもしれませんが人生の最期の時間を一緒に過ごすって、すこい事ですよね。

私は介護は誰もが通る道だと思います。

若い人は今はピンと来なくても、自分のおじいちゃんおばあちゃんが介護が必要になるときは来ますし、考えたくないですがいつかは両親もその時がきます。

そして自分も介護される側になると思います。

介護のお仕事をやっているからこそ普通の方よりも、みんな年をとっていく事や亡くなる事など身近に感じているのかもしれません。

介護では、幅広い世代の人との関わりが多いので自分自身の知らなかった一面をみたり、普段の生活では体験できない事(看取り等)や考えた事もなかった事を考える事が多くあります。

そういう事を思うと、尊いお仕事だなと感じています。

なので介護は社会的地位が低いとか、お給料が低いとか言われると悲しくなります。(そういうなら上げてほしい。。笑)

社会的地位が低いから不幸だと思う方もいれば、お給料が低いと感じるかとかは人によって価値観は違うのでまちまちだと思いますが。

介護のお仕事について興味を持って頂けたり、少しでも知っていただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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